​如月 酒々良の御話

 約200年前にとある山中にて封印されていたところ、たまたま通りがかった、

 というよりも、もはや遭難しかけていた盟友こと設楽が赤い大盃を見つけた事で再び現代に目覚める。
 とは言ったものの、200年の内にすっかり盃の中で隠に溶け込んでしまい、実体はなくバーチャルな存在になってしまっており、有り体に言えば憑いたと言った方が正しい。
 なお、五感はほぼ共有しているが、記憶や意思、趣向は完全に別物であり、言い争いもわりとあったりする。

 さて、色々とあってなんとか山から帰還した設楽と酒々良はその晩、鴨鍋と共に一本の日本酒を呑む。
 酒々良にとって、現代の日本酒は異次元の美味さであり、なぜこれ程美味い酒が現代で呑まれていないのか疑問を持つ。

 もっと呑みたい、もっと呑んでもらいたい。
 そんな酒々良の意思につられ、設楽が共に出来る事を考えた結果、現在の活動に至る。

 ただし、これは決して酒々良のわがままではない。
 設楽も設楽で探している酒がある。
 それは、遭難していた時に確かに呑んだ、今は無き、とある酒造が醸した酒である。

 ……ちなみに酒々良自身、封印された時の記憶はなく、なぜ封印されたのかも

覚えていないという。